川崎病後遺症その後の人生

川崎病という病名がまだない頃、川崎病にかかり後遺症として心臓に冠動脈障害を持つ。何も知らないまま大人になり、人生後半戦に入っても健康な日々を過ごしてきたが…。還暦を目前に始まった川崎病との付き合い方とは。

身体障碍者の申請開始

ICD外来での遠隔モニタリングの説明の際、身体障碍者の認定を受けるよう勧められた。認定を受けると、遠隔モニタリングの費用も負担してもらえるという。あくまでも自分で申請しなくてはならないが。


ICDの場合は1級もしくは3級に認定されるのだそうだ。こんなに元気にしているのに申し訳ない気もするが、「申請してくださいね」とドクターから言われ、手続きすることにした。
ただし数年たってからまた等級が再検討されるという。
「あなたくらいの元気さだと、絶対に4級に格下げされます」ときっぱり言われた。
「格下げ」って…。
それは嬉しいことのはずだけど、なんだか軽く傷ついた気がする。

 

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中性脂肪の数値上昇にあわてる

本日は不整脈の外来と検査の日。

不整脈の先生とお会いするのは約2か月ぶり、カテーテル・アブレーションの時以来だ。

いかがですかと尋ねられ、おかげさまでとても調子がいいですと、なんだか優雅な挨拶を交わす。

けれども心電図検査で少し不整脈が出ているという。それに「コレステロール中性脂肪が少し高いですね」と言われた。数字をのぞき込みながら「ええっ!」と叫んでしまう。

病院食に馴染んで体重も減ったのに、たしかにこのところ油断していた。何よりも運動が足りないのではないか。

 

でもちょっと驚きすぎたかもしれない。前回の診察まではいかにして突然死を防ぐかがテーマだったし、最後に会った時にはアブレーションでへろへろになっていた。中性脂肪が少し上がったくらいで(このオバサン何を言ってるんだ?)と思われたかもしれない。

そこはめげずに、運動する時の心拍数はどれくらいを目安にすればよいのか尋ねた。

「心拍数を抑える薬を飲んでいるのと、年齢からいって、100くらいですかね」

アップルウォッチの心拍計で安静時が40くらい。一般の安静時の数値が60だとすると、マイナス20くらい抑えられていることになる。上り坂を早歩きして90~100なので、だいたいそんなものか。年齢というのが引っかかるが。

 

 

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初めてのバンザイ

初回のICD外来では、看護相談の時間も設けられた。
何を相談したものやら…。
とにかく、腕をどこまで動かしたらよいかがわからない。ICDを入れてから肩凝りがひどいのだ。
「バンザイはできますか?」
そんなこと、恐ろしくてやってみたことがない。リードが引っ張られそう。
心臓から抜けることはないかもしれないけど。
「では、やってみましょう!」
まず両腕を横に伸ばして、まっすぐ上へ。
おお!植え込み手術以来、初めての両腕アップ。
「肩甲骨はがし」とかはできるのかな。
「う~~ん。リードに負担をかけるのはやめてくださいね。ラジオ体操は大丈夫ですから、ぜひやってみてください」
両腕をぶんぶん回す体操もあったと思うけど、あれも解禁なんだ。
とにかく基準はラジオ体操。まだちょっと怖いけど、やってみるか。

 

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初めて出会ったICD仲間

ICD外来に行ったとき、たまたま患者さんと少しだけ話す機会があった。

50代くらいの男性、めちゃ元気そう。それはお互い様か。この人もICD(植込み型除細動器)を入れてるんだ!

入院中、ペースメーカーを入れている人には何人も出会ったけど、ICDを入れている人は初めて。


その人は一次予防だった。心臓に症状が出ていないけれども植え込み手術を行ったのだそうだ。
私は発作のようなことが起こって、最初はICD植え込みを拒否していたのだと話すと、驚かれた。「突然死を防いでくれるんですよ」
そう、まったくそのとおり。だから最終的に手術を受けたのだ。それでも納得するのに時間がかかった。むしろ症状が出ていない段階で手術するほうが驚きなんだけど。
ところが話を聞いてみると、遺伝的に発病する可能性があって(病名は聞いていない)、従兄弟さんがそれで突然死されたのだそうだ。
家族親戚が突然死するって、衝撃だったろう。

それから診察に呼び出され、話はそこまで。
人生いろいろ、だなあ。

 

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心臓ハイテク話② ICDの遠隔モニタリング

ICD(植込み型除細動器)は、胸に埋め込まれた本体がリードで心臓につながっている。危険な頻脈が起こったときに、電気刺激で心臓の動きを元に戻してくれるものだ。突然死を予防する強力な装置だが、それだけでなく、心臓のいろんなデータも本体に記録される。検診のときにはこのデータを読み取って、診察に使われている。

さらに、ふだんから遠隔モニタリングで心臓のデータをチェックできるという。


データ送受信器を自宅に設置しておくと、胸に植え込んだICD → 送受信器 → サーバ → 病院 とデータを送信、異常があれば病院から本人に連絡が入るという仕組み。本人に自覚がなくても異常を教えてもらえるわけだ。
もちろん緊急事態となればICDが作動し、胸に強い衝撃が起こるので、それは本人に絶対わかるのだという(わかりたくないが)。「その時は自分で救急車を呼んでくださいね」とドクター。

遠隔モニタリングは保険診療の範囲内。「使うかどうかは自由です」と言われた。
ここまで来たら、使わない理由はないだろう。ICD入れちゃったんだから。


同意書にサインして、後日データ送受信器が送られてくることになった。
4月になれば、部屋の中に新しい機械がやってくる。

 

 

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心臓ハイテク話① 身体の中からブザーが鳴る体験

ICD(植え込み型除細動器)を入れて1か月。退院後初めての検診に行った。不整脈の外来とはまた違う、ICD・ペースメーカーの外来だ。

まず、何やら大きな装置の横に腰かけると、メーカーの人らしき担当者が装置のモニターを見ながら数値を読み上げ、看護師さんが記録していく。私の心臓からデータを読み取っているのだ。
お医者さんが胸に聴診器を当てて…というのとはまったく違う景色。私の「ICD手帳」にも数字が記録されている。見る人が見れば、意味のある数字なのだ。
データの読み取りが終わってから、“人間の”ドクターによる診察というか問診。データの結果も問題ないそうだ。

 

心電図やらレントゲンやらといった検査は後日受けることになっていて、この日はICDの器械に特化した1日となった。
電池が切れそうになったりリードが傷ついたりすると警告音が鳴るそうで、「そんなことはほとんどありませんけどね」と言われつつも、実演が行われた。
メーカーの人が大きな装置を使って操作すると、どこからかピーポーピーポーと救急サイレンのような音が聞こえる。自分の胸の中から鳴っているのだ。さらに、ブーというブザー音も鳴らしてもらった。これは強い電磁波に近づいたときの警告音。ブザーが鳴ったら、速やかに電磁波を出しているものから離れるようにということだ。

 

自分の身体の中からブザーが鳴る。

これまた初体験だった。

 

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いまどきの結婚式の引き出物

25歳の長男が友達の結婚式披露宴に出席した。

いわゆる結婚式場での披露宴で、ケーキカットなどもあったらしい。

引き出物はカタログで。

カタログの入った箱には、両家の名前が記された熨斗がかけられている。箱を開けてパラパラとページをめくる長男の横からチラッとのぞくと、フィギュアが目にとまった。

ガンダム??

「これは高級なガンダムだから」と長男。

それはそうかもしれないけど。

ガンダム・フィギュアかあ・・・。

結婚式の形って、そんなに変わらないものなのだなと思っていたら、やっぱりなにかしら時代を感じさせてくれるものだなあ。

 

 

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