川崎病後遺症その後の人生

川崎病という病名がまだない頃、川崎病にかかり後遺症として心臓に冠動脈障害を持つ。何も知らないまま大人になり、人生後半戦に入っても健康な日々を過ごしてきたが…。還暦を目前に始まった川崎病との付き合い方とは。

薬と猫

私は現在、4種類の薬を飲んでいる。不整脈の薬、川崎病の薬、コレステロールの薬、それから薬で胃が荒れないようにする薬。

すべて錠剤なのだが、不整脈の薬は1錠を朝夕2回に分けて飲むように、半分に割って袋にパックされている。これが、うちの猫のお気に入りなのだ。

毎回薬を飲もうとすると、そっと近づいてきて獲物を狙うかのように静かに待っている。

飲み終えた後、袋を小さくねじってポイッと投げると、猛然ダッシュ。ホッケー選手のように前足でドリブルしながらすごい勢いで走る。大きさがちょうどよく、すべりやすいから、夢中になるみたい。

ところでこの薬袋には、一包一包、私の名前がフルネームでプリントされている。

患者さんに渡し間違えのないようにという、薬局の配慮なのだろう。でも飲み終えた後は記名入りのゴミとなる。

猫が遊びまくった薬包はたいていどこかに消えてしまい、テレビの裏とかソファの下とかから出てくる。丸めてあった袋はクタクタに伸び切っているけれども、プリントされた名前ははっきり見える。「私が捨てました」と書いてあるみたいに。

時々、息子の出勤カバンの中からも出てくるらしい。上司とか取引先とかの前でポロッと出ることなく、そっと見つけてくれることを願うばかりだ。

 

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