川崎病後遺症その後の人生

川崎病という病名がまだない頃、川崎病にかかり後遺症として心臓に冠動脈障害を持つ。何も知らないまま大人になり、人生後半戦に入っても健康な日々を過ごしてきたが…。還暦を目前に始まった川崎病との付き合い方とは。

土曜の夜の特急列車

先日の土曜の夜、特急電車に乗った。

途中駅からの乗車。仕事帰りやら家族連れやら、そこそこ混んでいた。

指定された席は2列シートの窓際。あれかな?

 

私が乗るはずの席に、30歳くらいのサラリーマンらしき人が酔いつぶれて寝ているではないか。両手両足を伸ばして取り散らかった感じ。しかも隣の席にはカバンが置かれている。

「すみません」と声をかけるが、ビクともしない。大きな声でもう一度。ちょんちょんと肩をつついても動かない。

こりゃだめだ。

赤の他人の見知らぬ男性に触れるのは気が進まなかったが、両手で大きく揺さぶったら、あわててカバンをどけてくれた。

本当は席が違う。私が窓際のほうなんだけど、この際、それはもういい。どうぞ寄りかかってきたりしませんように。

青年は爆睡したまま、握りしめた携帯を何度もこちら側に落としそうになる。こっちも落ち着かない。

 

突然、「マジか!」と叫ぶと、私の膝の上をまたいで飛び出していった。「すみません」を連発しながら。脚が長くてよかったこと…。

電話をかけにデッキに出たのだろう。カバンは置いたまま。窓の縁にはハイボールの空き缶が1本。

青年は酔いつぶれたのではなく、疲労困憊して眠りこけていたようだ。

 

何があったんだか、なかなか戻ってこない。結局、電車を降りるまでのほとんどの時間、2列シートを私一人で独占しながら揺られていった。

お疲れさん。

 

 

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