川崎病後遺症その後の人生

川崎病という病名がまだない頃、川崎病にかかり後遺症として心臓に冠動脈障害を持つ。何も知らないまま大人になり、人生後半戦に入っても健康な日々を過ごしてきたが…。還暦を目前に始まった川崎病との付き合い方とは。

あの時のあの感じ

長かった梅雨がそろそろ開けようとしている。

これからの暑さも思いやられるけれど、ジメジメした日々は身も心もカビが生えてきそうでかなわない。おかげさまで心臓の調子は順調だが、一度だけ、ちょっと嫌な感じがあった。

寝付けない夜、息苦しくなってきたのだ。

心拍計で測ると98もある。じっと横になっているだけなのに。心拍数を抑える薬を飲んでいるので、普通なら120近いところだ。軽いジョギングをしている時の数値にあたる。

そうそう、心室頻拍で緊急入院したときって、こういう感じが数時間も続いたんだ。

病院に行き、受付で待っている間に急激にバクバクしてきたのだった。

どうしよう。あの時のようになる前に救急車を呼ぶべきか。

いやいや、今はICD(植込み型除細動器)が胸の中に入っているのだから、いざとなったら作動してくれるはず。慌てることはない。

と自分に言い聞かせているうちに、息苦しさは消えて、心拍数も60に落ち着いていった。

この間、わずか数分。

以前なら、ちょっと息苦しいなあ、と思うだけですませていただろう。それが一瞬、急激に脈が速くなる心室頻拍の「あの感じ」を思い出し、恐怖を感じてしまった。

ICDがあるから大丈夫、と思えるのは、やっぱり心強いものだ。もちろん、お世話にならなくてすむなら、それに越したことはないけれど。

 

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